龍言時間

+-0の生身の自分に立ちもどれる場所

新潟市から車で約一時間半、6月末の魚沼は「もう夏が来るぞ!準備OK?」という声が聞こえてきそうな程、緑の彩度が高くなり、盛り盛りと茂っていた。もともと自然豊かな新潟で生まれ育った私も、魚沼に来ると、より自然の力強さをダイレクトに感じる。
チェックインを済ませ、夕食は17:30にお願いした。今回利用した部屋はVILLA SUITE。ryugon
離れにある露天風呂つきの部屋だ。
荷物を置いてソファに座り、窓の外を眺めた。大きな窓の先には露天風呂付きの広いデッキ。目の前には大きな池が見渡せた。感覚的には、ソファにいたのはほんの10分程度だったけれど、あれ?時計をみるともうすぐ夕食の時間だ。いつの間にか、目の前に広がる絶景に気を取られていたことに気がついた。
ーー8年前からヨガを続けている私は、いつでもヨガができるように、旅先へもヨガマットを持っていくことにしている。今回ももちろん持ってきた。外の景色をもう少し眺めていたかった気もしたけれど、「よし、明日の朝、ここでヨガをしよう!」と決めて部屋を出た。

夕食の前に、バーへ寄り道。魚沼の地酒を1杯いただいて、ダイニングへ向かった。
コース料理では、旬の地の物を使った料理を堪能した。どの料理も濃すぎず薄すぎずちょうど良い味わい。そして体にすーっと入っていく。素材を生かして適切に調理された食事は、体が素直に受け入れてくれる。忙しいと、ついおろそかにしてしまいがちな「食べる」という行為を、一つ一つ見直してみようかな、と思えた。
その後バーに戻り、自家製梅酒をいただいた。手作りのゴロっとした味わい。これは「昔、友達の家で飲んだおばあちゃんの梅酒の味!」。
一度部屋へ戻り、お風呂の支度をして大浴場へ。離れから大浴場へ向かう道からも、外の自然が見渡せる。少しだけライトアップされた夜の緑も印象的でとても綺麗だった。
大浴場はラッキーなことに誰もいなかったので一人貸切状態。露天風呂は優しい温度で、しばらくぼーっと浸かっていた。ちなみにシャンプーなどのアメニティは、魚沼の八海山ブランドのもの。お風呂から上がると、もう12時前。そんなに長居した覚えはなかったのだけれど、ryugonに着いてからというもの、なんだか時間の流れが変わったような感覚になる。
6:00にセットした目覚ましよりも随分早く目が覚めたので、ヨガの前にデッキの露天風呂に入ることにした。浸かりながら外を眺めていると、だんだんと朝日が高くなり、目の前の景色に色が付いてきた。
しばらくしてお風呂から上がると、ヨガウェアに着替えた。広いデッキにヨガマットを敷いて座り、静かに深呼吸を続ける。その後いくつかのポーズを続けて体が温まったところで、朝食へ向かった。より自然に近い環境でのヨガは格別に気持ちが良かった。
はじめに出されたのは甘くてすっきりとした人参ジュース。体を目覚めさせてくれた。その後、綺麗な赤い器に盛り付けられた朝ごはんが運ばれてきた。普段朝食を取らない私には十分すぎるほどの量だったけれど、焼き魚、納豆、漬物、のっぺ、味噌汁、ご飯、美味しくて全部食べてしまった。
昨日のうちに予約しておいた自転車を借りてサイクリングに出かけた。外は晴天で絶好のサイクリング日和!近くの雲洞庵を目指して出発した。県道から農道へ入ると、目の前には魚沼の田んぼと、その奥には坂戸山が見えた。6月末の田んぼの強い色彩に、こちらも元気になる。
農道を抜けてしばらく気持ちよく走ったところで雲洞庵に到着した。杉林と木漏れ日の間の道を奥へ進むと入り口の門に到着。ところが、なんと今日は定休日との看板が!残念ながら門の中までは入ることができなかった。帰ろうとしたところに、群馬ナンバーの車がやってきた。出てきた夫婦に「今日は定休日で入れないみたいですよ。」と伝えると残念そうにしていたので、スマホを借りて記念に二人の写真を撮って返した。群馬の夫婦とお別れして、来た道を戻った。
緑に囲まれたサイクリングは最高に気持ち良くて、このままずっと走っていても良いくらいだった。
ryugonに戻り、昨日のバーでレモン水を一杯いただいて部屋に戻った。チェックアウトまではまだ1時間ほどあったので、荷物をまとめて再度バーの方へ向かった。なぜならバーの脇にある背の高いソファのラウンジが気になっていたからだ。「なんで背が高いのか?」という疑問は、座ってみると解決した。程よい閉塞感が、まるで喫茶店にいるように周りとの距離を確保してくれるからだ。仕事をしたり、本を読んだり、ぼーっとしたり。人によって使い方は様々だけれど、私は本を読んで過ごすことにした。
チェックアウトを済ませたあとで向かいのカフェに寄り、ここで軽くお昼にすることにした。カフェオレとスコーンを頼み、カウンター席に座った。サクサクのスコーンとカフェオレの相性は最高だった。スコーンをテイクアウトしたかったけれど、イートインメニューはテイクアウト不可だったので、魚沼野菜のマカロンをお土産にすることにした。
門を出て、車に乗ってエンジンをかけた。高速に乗り、新潟市へと走る。相変わらず新潟県は長いなと、延々と続くストレートな高速道を進んでいくうちに、だんだん時間の感覚が戻ってきた。思えばryugonの門をくぐってから、時間の流れが変わっていた。私の気のせいなのかもしれないけれど、ryugonは私をリセットさせてくれたのだと思う。普段の役割から離れて、自分の体と心の感覚に従って過ごしていた。
運転しながら「明日からはまた仕事が始まる。日常に戻る。」と思った。でもそれはマイナスではなく、よし、ここからスタートだ!というポジティブな感覚だった。
私はryugonを「+-0の生身の自分に立ちもどれる場所」に設定することにした。




加藤歩美 Kato Ayumi
Pデザイン研究所/デザイナー

新潟市在住。1985年新潟県燕市出身。長岡造形大学視覚デザイン学科卒業。
主にグラフィックデザイン・パッケージデザイン・エディトリアルデザイン・WEBデザイン・空間デザイン・商品開発などに携わる。
ライフスタイルで欠かせないのは音楽とヨガ。新潟県の苗場スキー場で開催されるFUJI ROCK FESTIVALに毎年参加している。
(Pデザイン研究所 https://www.instagram.com/p_design_laboratory/

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