龍言時間

古民家に泊まる。ホテルのように過ごす。

古民家だけど、ホテルのようにゆったりと。


あなたが旅行先を選ぶ基準はなんでしょう。最近は、宿で選ぶ、という人も増えてきているのではないでしょうか。大きなホテルよりも、離れがあるような小さな宿に泊まりたいと考える人も増えているようです。宿選びの基準は、人それぞれ多様だと思いますが、この記事を読んでいるということは、古民家に泊まることに少なからず興味あり、ということかと推察します(違っていたらごめんなさい)。

で、古民家に泊まることに興味はあるけど、ゲストハウスはちょっと苦手、という感じかと推察します(違っていたらごめんなさい)。

というわけで、古民家ホテル。読んで字のごとく、古民家+ホテルというコンセプトの宿、です。場所は新潟の魚沼地域にあります。この記事では、ryugonリノベーションプロジェクトチームのひとりであるフジノケンが、古民家ホテル ryugonの魅力をお伝えしたいと思います。

「中門造り」と呼ばれる重厚な造りの玄関

まずご紹介したいのは、写真の「中門造り」と呼ばれる重厚なエントランス。ryugonは、約1500坪の広い敷地に建っていて、建物の大半は今から約200年前の庄屋や豪農の館を移築したものです。中に入るとわかるのですが、柱や梁ががっしりしています。

というのも、ryugonがある新潟県中越地方は雪が多く、一晩で1メートル近く積もることもあるほど。しかも、水分を多く含む雪で、とっても重い!のが特徴。大量の重い雪を支えるために、他の地域と比べて柱や梁が太くてしっかりとした造りが特徴なのです。頑丈な雪国生まれの古民家は密かに人気で、日本各地にある古民家の中には、新潟から移築されたものもあるそうです。

客室はもとより館内を歩いていると、雪国ならではの重厚な古民家の風情をそこかしこで感じることができます。

ホテルのようにゆったりした共有スペース


そして冒頭に古民家+ホテルと紹介したように、古民家の風情とホテルのような快適さを併せ持つのがryugonの特徴です。

もともとは「龍言」という大変風情のある旅館でしたが、老朽化していました。そのため2019年にリノベーションをして、古民家ホテル ryugonとして再生。私は、この再生プロジェクトのメンバーのひとりとして参加しました。リノベーションに際してプロジェクトメンバーで共有したのは、「雪国を感じてもらう」こと。そして、古民家の風情を残しながら、居心地のいい空間にすることでした。

白い囲炉裏

旧龍言は、玄関から今のラウンジがあるあたりまで壁で細かく仕切られていて、見通しがよくありませんでした。写真の白い囲炉裏があるあたりも、壁に囲まれた細長い廊下が続き、窮屈な印象が否めませんでしたが、今回のリノベーションによって、壁を大胆に取り払うことで、開放感のある共有スペースが生まれました。建築家の蘆田暢人さんのアイデアで、柱をそのまま残しているので、旧龍言の古い時間とモダンデザインがミックスした、ちょっとおもしろい空間になっています。

ほぞ穴をそのまま残した古い柱

幽鳥の間

バーから幽鳥の間の方を見る

このように玄関からラウンジまで広がる、海外のリゾートホテルのように開放的な共有スペースが、ryugonの魅力のひとつになっています。バーやラウンジ、白い囲炉裏、幽鳥の間など、いろいろなところに自分の好きな居場所をみつけてみてください。

ラウンジにあるかまくらをイメージしたソファ

私のおすすめの居場所は、ラウンジにあるかまくらをイメージしたソファ。西粟倉の家具デザイン集団「ようび」にデザインしていただいたオリジナルソファです。座面がゆるくラウンドしていて、ほどよい硬さと相まって、ずっと座っていたくなる...。特に冬、窓外の雪を眺めながらのんびりしていると、囲まれ感も相まって、ちょっとしたメディテーション気分を味わえます。

リノベーションの様子と、建築・家具・ランドスケープなどのデザイナーのメッセージを収めた4分程度のドキュメンタリームービーもありますので、よろしければご覧ください。



快適なプライベート空間


そしてもう一つのホテル要素が、快適なプライベート空間。客室は、離れのvilla棟と、古民家の雰囲気を色濃く残すクラシック棟の2ラインあります。全室にシモンズのマットレスを採用しているので、ホテルライクな快適さ。部屋のしつらえやアメニティなどは、villa suiteと、classicそれぞれのページで紹介されています。

villa suite

villa suite

お部屋や館内での過ごし方は、小出さんや加藤さんの「龍言時間」を読むとイメージしやすいかな、と思います。


さて、僕は今、この瞬間、まさにRYUGONの自室で、目の前で杉の木が切り倒されるのを眺めながら、この原稿を書いている。原稿を書いているにもかかわらず、なぜか仕事のアイデアがふつふつと浮かんでくる。Ryugonにいると発想が止まらなくなるのだ。

新潟には僕の「書斎」がある。(小出正三)




お風呂から上がると、もう12時前。そんなに長居した覚えはなかったのだけれど、ryugonに着いてからというもの、なんだか時間の流れが変わったような感覚になる。

+-0の生身の自分に立ちもどれる場所(加藤歩美)

classic

classic棟の客室には、木材の間接照明があります。これは、リノベーションの際の廃材を再利用した照明です。古材なので一つひとつの形が異なっていて、これも古い建物の記憶のひとつとして見ていただけたらうれしいです。

classicの客室の古材照明

快適さと地域らしさが、ゆるやかにつながっていること


最後に紹介したいのが、地域との「ゆるやか」なつながり。客室などのプライベート空間と、ラウンジやバーなどの共有空間、そして地域に開かれたパブリック空間がつながって、気分に合わせて籠ったり、交流したり、滞在のスタイルを選べること。何もしない贅沢を味わいたい旅も、人や暮らしとの出会いを楽しみたい旅も、どちらも満足できる懐の深さが、ryugonの特徴かなと思います。

訪れた旅先の暮らしに関心があっても、いざそれを体験するとなるとなかなかハードルが高かったりしますよね。そんな地域の暮らしと旅人をつなぐための場所が、ryugonの門を入ってすぐのところにある「土間」です。
ryugonの土間は、地元のお母さんが料理の仕込みをするスペースなのですが、クッキングワークショップもしています。予約をすればどなたでも参加可。出発日のチェックアウト後に、昼食代わりとして、この土間ワークショップに参加するのはおすすめです。雪国の知恵がつまった郷土食を教えてもらえるし、かまどで炊いたご飯がとてもおいしい。料理をしながらのお母さんのとのおしゃべりも楽しいと好評です。
というわけで、プロジェクトメンバーの一人として、古民家+ホテルの魅力を紹介させていただきました。


ryugonクリエイティブディレクター
フジノケン
株式会社N37 代表
新潟県津南町を拠点に活動。日本の地方の魅了を世界へ発信することを目指して、地域や企業のブランディングを担う。2017年に松之山温泉温泉整備計画でグッドデザイン賞、2018年に雪国観光圏のブランディングでジャパンツーリズムアワード大賞。企画演出を担当した「龍言からryugonへ」は、Zagreb TourFilm Festival Best Filmなど国際的な映像フェスティバルで7つの賞を受賞。

Reservation

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